中小企業診断士2次試験対策としてTACに通った感想

通おうと思った経緯

2020年の二次試験で惨敗。二次試験対策が良くわからないというのと、1人で時間を確保して机に向かって勉強するイメージが持てなかったので、半ば強制的に時間が拘束されてしまう予備校に通おうと決意。

通った期間

2次試験2回目にあたる2021年と、3回目の2022年の2回通いました。それぞれ期間は以下のとおり。

  • 2021年4月~10月(TAC池袋校)
  • 2022年8月~10月(TAC八重洲校)

通うにあたって考慮した条件

各種試験予備校があり各校それぞれ特色があるかと思いますが、以下の制約条件を満たすのがTACしかなかったため最初は必然的にTACの池袋校を選択しました。

  1. 4月開始である
  2. 対面の講義を受講できる
  3. 土曜日に受講できる

1つ目の「4月開始」は、自分が典型的な年度末繁忙業務のため、1~3月は土日含めて動ける時間が限られるため避けました。2つ目の対面講義は、オンライン講義とか動画だけだと集中できなそうなので。3つ目の「土曜日」ですが、4月にITストラテジスト試験の受験が決まっており、それが日曜日だったため避けました。

というわけで、特に積極的な理由なく2021年はTACに決まりました。2022年は日曜日に通う制約がなくなったので、通勤経路の途中で通いやすい八重洲校になりました。

講座の内容

行ってみてまずビックリ。講義はおろか特に説明もなくいきなり問題演習が開始される。1次から通っている人にとっては当たり前なんでしょうけど、途中入学となる自分にとっては訳も分からず、2次試験受けてからまったのノー勉強でまず受ける。

TACの問題演習講座は、講師によって若干の違いはあると思いますが、基本的に実戦形式の演習80分と、それに対応する解説で、2時間で1コマ。1日2コマで、毎回2事例ずつ演習を実施する形式です。

一般的な解法とかは「TACメソッド」として講義動画を見れますが、自分は体得できずいつまでたっても我流でした。自分はあんまり他人に教わったことを忠実にこなすというのはできないようです。

また、TACの講師陣全体で同じ演習問題を使うものの、講師によって教え方には差がありました。講師ごとにどういった講義を行うかなんて情報は公開されていないので、可能であれば説明会などで合う合わないを判断した方がよさそうです。

通ってみて身についたこと

フレームワーク思考が身についたかなと思います(実践できてるとは言い難いですが)。コンサルの人がよく言う「課題は3点あります。1点目は…」みたいなやつ。あぁいうのも普段からフレームワークに分けて考えているからであって、問題点をたくさん指摘する能力があるわけではなく、観点を分けて考えてるからなのだなと思いました。

フレームワークってSWOTとかVRIOとか大層なものをイメージしてしまいがちですが、例えば組織論であれば、トップ・ミドル・ロアーで分けて考えるとか、社内と社外、採用は中途と新卒で分けて考えるとか、その辺の感覚が身につけられたかなと思います。各設問の解答も、事例Ⅱだけ「だなどこ」と言われて漏れなく書くような話が浸透していますが、それ以外の事例・設問も同じだと思います。課題と対応策と期待効果とか、そういうのを意識した解答ができるようになると思います。

あとは具体と抽象の感覚でしょうか。与件文に書いてることは具体的な話しかないですが、具体的な内容を3点併記して、最後に自分の意見として抽象的な内容でまとめるとか。令和4年度の事例Ⅰは意識して書いてみたのですが、得点は高くなかったですね。

ただこれは自分が仕事をするうえでも、うまくモデル化(抽象化)して伝えたとしても具体的な内容まで伝えないとイメージできない人がいるのと、具体的な話ばかりすると抽象化して自分の業務に当てはめて考えられない人もいたりするので、抽象的な例と具体的な例を対比させて伝えるような意識が強くなったように思います。

通ってみてた感想

良かったところ

大量の演習ができる

隔週で2事例の新作演習を解けます。2021年は漫然と解いていて成長に繋がらなかったようにも思いますが、長い目で考えれば必要な時間だったように思います。試行錯誤を行うためには非常に有効です。ただ、試行錯誤するための時間としてとらえないと、安定して得点はできないというか、知識を身につけるだけになってしまって、新規の問題に対する対応力が身につかないと思います。

問題に答えがある

二次試験の難しいところに「模範解答が公開されない」というのがありますが、(他校も同様だと思いますが)TACの演習は答えが提示されます。キーワードや観点など明確に示されます。答えに納得がいかないこともまれにありますが(!)、なぜ自分がその答えに辿り着けなかったかを考えるのには非常に有効です。

講師の話がおもしろい

これは池袋校に通っていたときですが、現役コンサルの講師だったため演習の解説と合わせ講師自身の経験を聞くことができました。そしてその内容や話し方も非常に興味深い内容だったので、試験対策以上に現役コンサルの話を聞けるという意味で大変有意義でした。コンサル経験のない人であれば特に刺激になる話を聞けると思います。

勉強してる人の姿を見てモチベーションが上がる

社会人になってもう15年とかになりますが、自分の会社の周りでは机に向かって勉強している人なんて見たことありませんでした。TACの受講生は自習室が使えるようになるのですが、中小企業診断士に限らず税理士や公認会計士、社労士、行政書士等様々な講座が開講されいるので、必然的にいろんな人が集まりみんな講義だけでなく自習室で黙々と勉強しています。資格取得を目指す前の自分は休日は遊んで暮らしてましたが、世の中にはそんなときも一生懸命勉強している人がいるのだなと感銘を受けました。

良くなかったところ

自分で試行錯誤が必要

演習の解説はしてもらえますが、知識取得や解法に関する講習はほとんどありません。演習は演習と割りきって、必要な知識は自分で身につける必要があります。そして演習を受けながら、なぜ得点できなかったを自分で考え、次回改善するといったことを自分でやる必要があります。

たぶん講師によって教え方が異なる

正解が良くわからない試験なので講師の力量と言うのも非常に計るのが難しいですが、代理の講師を含めて4人の講義を受講しましたが、かなり差があると思いました。差と言うのは教え方と言うより、講義を聞いていて楽しかどうかといった観点ですが、2021年に受講して試験は不合格でしたが、TACで講習を受けてよかったと思っています。

おすすめできる?

令和4年度二次筆記試験の結果を見ると、予備校の授業に頼りきるのではなく自分で試行錯誤できるかが重要だと思います。そういう意味ではTACは隔週で新しい問題を提供してくれるのと、それを解く途中で試行錯誤をできる環境が得られるので、その先は個人ごとの領域ではないかと思います。自分は与件文を読む時間や下書きをしたりしなかったりとか、色々と試してみて、行き当たりばったりだった最初とはかなりやり方を変えました。

あと事例Ⅳは基礎的なところが演習に出されます。最初30点くらいしか取れなかったのが、最終的には70点くらいは超えるようになってきて、基礎を身につけるという意味では非常に効果的だったと思います。

ezmomonga

コンサルタント(夫)と鉄道オタク(嫁)のブログ。 資格取得の情報や鉄道メインの国内旅行の情報を発信しています。 ももんが(夫)は中小企業診断士の勉強中。 ももんが(嫁)はのんびりJR路線の完乗を目指してます。

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