マッターホルンに登るための準備(国内トレーニング編)
マッターホルン関連は全体についてはこちらをご参照ください
マッターホルンの登り方(まとめ)
目次
自分の登山経験
私の登山経験はこちらを見てもらえれば分かりますが、特に凄い経験があるわけではありません。
バリエーションルートを登ったことも厳冬季の雪山でラッセルしたこともありません。ずっとソロで登った素人登山です。
たまたま鎖のかかった岩場が好きだったり、人を避けて残雪期の八ヶ岳で 雪と岩のミックス を歩いていたくらいです。
マッターホルンに登ろうと思った経緯
2012年に奥穂→西穂を歩いて、次はどこに登ろうか北鎌か、なんて考えていた際に、せっかくならメジャーな山に登ろうということで、ぼんやりマッターホルンを目標にしてみました。
ただし、仕事の都合などもあり、本格的に考え始めたのは2014年に入ってからで、7月くらいにパンフレットを集めだしたりして、具体的な計画や、必要な準備などを考え始めました。
自分の人生の中で最高に幸運だったのは、2013年頃から1年半程度、日本屈指の登山基地である長野県松本市に住むことができたので、山に登るには困らない環境にあったことかと思います。
トレーニングとして意識したこと
いろいろ調べた結果、難しいロープワークなどは不要で、とにかく休まず歩ける体力と、それほどレベルの高くない岩登りを休憩なしに継続できることが重要であるとの結論に至りました。その他諸々を含め、コンセプトはこんな感じになりました。
- 1時間あたりで登れる高さを常に意識する
- 山の中で休憩はとらない
- 水分は控えめに摂取する
- 自分に合う行動食を見つける
- 高所順応しよう
- ボルダリングをしよう
- シミュレーション登山に参加する
1時間あたりで登れる高さを常に意識する
もちろんコースや体調によりますが、最初の1時間で500mくらい登るのを目標としていました。このとき会社の先輩にもらった高度計付きの時計が大変役に立ちました。
山の中で休憩はとらない
マッターホルンは4時間で登って4時間で下る道のりで、4時間で登頂できない場合は途中で下山開始です。時間との戦いになるので、休憩している時間はありません。気持ち的にはアイゼンの装着は片足10秒!!
みたいな勢いでした。
毎週どこかしらの山に登っていましたが、体力トレーニングには長い登りの笠ヶ岳などがよいかと思います。
水分は控えめに摂取する
マッターホルンに登った時は350mlしか持っていきませんでした。ちょうど直前に入手した小さいペットボトルを利用して、それをジャケットのポケットに入れて、それだけでした。ちなみに中身は日本から持って行ったリポビタンDです。最後は慣れたものがいいですよね。
自分に合う行動食を見つける
なにせ休んでいる時間がないので、行動食も考えなければいけないです。個人的には飴は溶けるまでに喉に詰まりそうだし、グミも噛むの大変だし、タブレットも堅いし、チョコバーとか食べてる余裕ないしと、結局これになりました。ソフトキャンディーと書いてますが、すぐ噛んで飲み込める堅さです。
高所順応しよう
スイスへ行く1週間前は富士山の10合目の山小屋で一泊しました。ちなみにその時のタイムですが、富士吉田口から10合目まで2時間40分でした。3時間が目標だったので、体力的には大丈夫だろうと少し自信がつきました。ただし、3時間を切るタイムで登ったせいで、高山病で猛烈に頭が痛かったです。それもまたトレーニング。
それと、好日山荘にある低酸素トレーニングルームに行ってみました。通ったりはせず、1回だけです。詳しくは好日山荘のホームページ参照ですが、下界にいながらにして標高3000m~4000mの酸素濃度で活動できます。
簡単な運動をして休憩して、「酸素飽和度」なるものを計測しました。
自分は体力、特に心肺機能に大変不安があったので、確認の意味も込めて低酸素ルームを利用しました。
頻脈や不完全右脚ブロックのせいか、マラソンはいつも最下位。でも歩く速さの運動なら得意らしい、ということが経験で分かっていたのですが、数値的にも問題ないとの結果でした。
ボルダリングをしよう
これはかなり有効だったと思います。ピーク時には週4回くらい通っていました。指が痛くてテーピングするくらいでしたが、単純に楽しいですし、低レベルですが”ムーブ”なるものを体得できたと思います。マッターホルンだとそれほど高いレベルは必要ないですが、腕の筋力トレーニングには最適した。
実際にマッターホルンを登る際は、ガイドの判断でどんどん周りの人を追い抜いていくのですが、追い抜く道やスペースなんてもちろんないので、少々無理なルートを通るのですが、そういった際にも大変有効だったと思います。
あとは願掛けではないですが、表妙義に行きました。
シミュレーション登山に参加した
バリエーションルートなど行ったこともなく、自分のレベルもよくわからなかったので、1度だけマッターホルンのシミュレーション登山なるものに参加しました。
コースは谷川岳のバリエーションルートで岩場を登る内容でしたが、当日小雨のため岩場は登れず。通常のコースを歩いて帰ってきました。
装備品のチェックを受けたり、国際山岳ガイド2人のお話を聞けたりと、貴重な体験ではありました。
装備品について
結局持参した装備はこんな感じでした
- ハードシェル(使わず)
- ソフトシェル (穴が開いてもいいやつ)
- アイゼン(12本爪。爪は短いのが良いと思います)
- ハーネス
- 安全環付きのカラビナ(結局使わず)
- ピッケル(テスト登山でのみ使用)
- ヘルメット
- ヘッドライト
現地でロープは必要なのかとかヌンチャクはあったほうがいいのかとか確認している日本人がいましたが、そんなものはまったく使いませんでした。
日本国内でこんな感じの準備やトレーニングを実施してスイスへ向かいました。
続きはこちら。
マッターホルンに登るための準備(国内手続き編)