お金がないから山に登った話(六甲山から有馬温泉へ)
始めるきっかけはそれぞれだと思いますが、自分が初めて山に登った理由は「お金がないから」でした。
大学生時代は東京在住でしたが、3ヶ月間だけ兵庫県で暮らすことができるという貴重なチャンスがあり、その際に兵庫県内はもちろん大阪・京都、遠くは島根などを観光して回っていました。
もともと温泉が好きだったので、関西の屈指の温泉である有馬温泉にぜひ行ってみたかったのですが、神戸(三宮)から行くのを考えると、阪急や 神戸電鉄 を乗り継いで往復1500円近くかかってしまいます。
電車賃を節約して遊ぶお金を捻出するため考えた結果、思いつきました。
芦屋から六甲山を超えて歩いて行こうと。
そしてトートバックにロングコート (11月くらいでした) と、まったく登山らしからぬ格好で芦屋のロックガーデンの岩を上り、有馬温泉に到着したのでした。初めての炭酸泉に感動しながら登山の汗を流しました。
その後、山の中を歩いてでないと行けない温泉を知るなど、活動の範囲が山の中に広がっていきました。 また、もともと素質があったのか岩場が好きになり、槍ヶ岳・穂高岳などのメジャーな山を始め、関東からは比較的アクセスのよい妙義山などを好んで歩くようになり、最終的にはマッターホルンに登るまでになってしまいました。
運動不足解消であったり絶景を見るため、親や友人に誘われてなど、 ひとそれぞれ登山を始める理由はあるかと思いますが、私の場合は節約生活の延長で登山が始まったのでした。